【ご報告】第12回YNU日本語スピーチ大会
• 第12回YNU日本語スピーチ大会
スピーチ大会の発表資料・動画はこちらでご覧いただけます。
2022年12月13日(火)に第12回YNU日本語スピーチ大会が図書館メディアホールにて開催されました。今年度のテーマは「当たり前を見直そう」で、
各国からの留学生がそれぞれの思いを日本語で表現しました。今回は、3年ぶりに対面形式によるスピーチが行われ、人数を制限した形ではありましたが、
観客のみなさまにも会場でスピーチを聴いていただくことができました。
また、当日は、ご多忙のなか、梅原出学長に審査員を務めていただき、全体の講評として留学生への温かいメッセージをいただきました。
スピーチ大会には今年度もたくさんの応募があり、留学生10名の出場が決定しました。出場者は、横浜国立大学日本語日本文化プログラム生、 短期留学国際プログラム(JOY)生、日本文化研修プログラム生、学部生、大学院生などさまざまな身分の留学生で、 出身は、イタリア、アメリカ、中国、韓国、マレーシア、ブラジル、台湾、香港でした。
中上級の部の出場者は持ち時間4分の間にスライド6枚、初中級の部の出場者は持ち時間3分の間に4枚のスライドを見せながらそれぞれの熱い思いを日本語で語ってくれ ました。新型コロナウィルス感染拡大防止対策のため、事前申し込みで人数を制限した形ではありましたが、3年ぶりに観客を入れた形で行われ、出場者たちの笑いあり、 感動あり、学びのあるスピーチに会場からも盛大な拍手が送られました。また、ご参加いただけなかった方のために、スピーチ動画配信を行い、留学生への応援メッセージ リンクを通して、視聴者から多数の感想や励ましのメッセージが寄せられ、留学生と学内外の方々の交流にもつながりました。
スピーチの審査は内容、表現力、日本語力の三点について行われ、その合計点をもとに各賞が選ばれ、表彰式を行いました。 表彰式では、最優秀賞受賞者には賞状とトロフィーが、優秀賞受賞者には賞状が贈られました。また、読売新聞社からは読売新聞社賞の贈呈があり、 読売新聞東京本社横浜支局長の稲葉洋文様より賞状と盾が贈られました。その他にも「国際理解:国際交流における日本語の役割」 クラスの受講生が選ぶ学生審査員特別賞が選出され、賞状の授与が行われました。さらに、今年度も2020年度、2021年度の大会に続き、 コロナ禍における留学生支援の一環として、国際戦略推進機構所属の教員の寄付により、出場者に賞金・ギフトカードが贈られました。 審査員から受賞者へのスピーチの講評や、受賞できなかった留学生への励ましのメッセージをいただくなど、心温まる表彰式となりました。 また、当日の様子は読売新聞にて(2022年12月14日付)紹介されました。
・「国際理解:国際交流における日本語の役割」クラスとの連携
YNU日本語スピーチ大会は、2014年度から全学教育科目である「国際理解:国際交流における日本語の役割」と連携して実施されています。 この試みは、日本語スピーチ大会開催に向け、 日本人学生と留学生が協力しあうことで国際交流の機会を促進するという目的で進められています。
2022年度秋学期の「国際理解:国際交流における日本語の役割」は3年ぶりに対面形式での授業が行われました。 受講生は8名と少人数でしたが、留学生との交流に意欲的な学生が集まり、どのように留学生をサポートできるか、 毎回の授業で話し合いながらスピーチ大会の準備を進めました。実際の支援活動は、受講生と出場者が1対1のペアとなり、 出場者のスピーチ原稿のチェックをしたり、発表の練習の手伝いをするというものでした。スピーチ大会当日は、受講生に出場者の紹介も担当してもらいました。 2ヶ月弱という短い期間でしたが、受講生と出場者である留学生が、自分たちに合った方法を模索しながら活動を進め、交流を深めていったようです。 支援活動を通して、初めて留学生の日本語や留学生の生活・悩み等を知ることとなった学生も多く、数多くの発見や驚きがあったのがふりかえり活動や レポートからわかりました。
第12回YNU日本語スピーチ大会は、人種や性、親子関係など、さまざまな面における「当たり前」が「当たり前」ではないことに気づかされる大会となりました。 留学生からたくさんのことを学び、考えさせられるいい機会だったのではないかと思います。各方面からのサポートをいただき、対面形式で無事開催できたことを大変喜ばし く思っております。関係者のみなさまありがとうございました。日本語スピーチ大会が本学留学生の活動の活性化につながるよう、今後もYNU日本語スピーチ大会を企画運営 したいと思います。
文責 金蘭美
(国際戦略推進機構 基盤教育部門 日本語教育部)
出場者(敬称略)
出場者たちの発表資料はこちらからご覧いただけます。
【登壇留学生】(当日スピーチ順)
1. ヂ・コスタンゾ・ジュセッペ 「自己認識についての仮説」
JOYプログラム/イタリア
2. プロフェット・ブレンドン 「黒人もただの人」
JOYプログラム/アメリカ
3. ジョン・ソジョン 「人生は逸脱から」
JOYプログラム/韓国
4. シン・ガイ 「当たり前を見直そう」
理工学府/中国
5. チョウ・ガイテイ 「当たり前を見直そう―自立していこう」
横浜国立大学日本語日本文化プログラム/香港
6. チョウ・メイウ 「両親がくれた宝物」
経営学部/中国
7. チン・イクイ 「おじさんがタピるのはダメ?」
横浜国立大学日本語日本文化プログラム/台湾
8. ヌルル・シャキリン 「ねえ、おつかれ!」
理工学部/マレーシア
9. ハヤシ・カイト 「性の多様性」
日本語日本文化研修プログラム/ブラジル
10. ヨウ・エツキ 「当たり前の落とし穴から飛び出そう」
JOYプログラム/中国
審査員(敬称略)
【学外】
稲葉洋文 読売新聞社東京本社 横浜支局長
中根卓 独立行政法人国際協力機構 横浜センター所長
【学内】
梅原出 横浜国立大学長
大西知子 学務・国際戦略部 グローバル推進課長
四方田千恵 国際戦略推進機構日本語教育部 教授
平井葉乃音 国際理解科目 受講生代表
受賞者(敬称略)
【最優秀賞】ヌルル・シャキリン「ねえ、おつかれ!」
理工学府/マレーシア
【読売新聞社賞】 ハヤシ・カイト「性の多様性」
日本語日本文化研修プログラム /ブラジル
【初中級の部優秀賞】 プロフェット・ブレンドン・ジョシュ「黒人もただの人」
JOYプログラム/アメリカ
【中上級の部優秀賞】 ヨウ・エツキ「当たり前の落とし穴から飛び出そう」
JOYプログラム/中国
【学生審査員特別賞】ジョン・ソジョン「人生は逸脱から」
JOYプログラム/韓国
受賞者の声
ヨウ・エツキ(中上級の部優秀賞/JOYプログラム・中国)
以前はスピーチ大会に参加したいですが、なかなかチャンスがないです。ですから、今回のスピーチ大会のチャンスは本当にありがたいです。 特にサポーターの制度は助かったと思います。サポーターさんは原稿をチェックし、ミスを指摘し、日本語のニュアンスを教えてくれて、本当に勉強になりました。 また、サポーターさんと先生たちに励ましてくれたおかげで、自信を出してスピーチができました。今回のスピーチ大会で、自分がもっと自信を持つようになって、 より良い自分に向かって進んでいると深く感じました。他の選手たちのスピーチを聞くのも、異なる視点を見つけて、勉強になりました。今回のスピーチ大会、 本当に感謝いたします。
ハヤシ・カイト(読売新聞社賞/日本語日本文化研修プログラム ・ブラジル)
私はスピーチ大会どころか、人前で話すこともあまりなくてすごく不安でしたが、今ではこのスピーチ大会に参加してみて本当に良かったと思っています。 このスピーチで私は私自身の日本語の作文の能力や人前で話す能力の向上をもたらしたこともありますが、何より性の多様性についてより多くの人に伝えられた ことが嬉しかったです。私が受賞できたことはサポーターや日本語の先生方の支援があったからだと思っています。特にサポーターには原稿の細かいところまで 補助していただいたのでとても助かりました。本当に私のスピーチを支えて下さった皆さんに感謝しています。ありがとうございました。
ジョン・ソジョン(学生審査員特別賞JOYプログラム・韓国)
成長の機会をくださったYNUの先生方々、サポーター、本当にありがとうございます。大学の教養授業で日本語を勉強し始めたのですが、 その当時は私が日本で日本語スピーチ大会の賞をもらうとは全く想像もできませんでした。私のスピーチの内容通り、『機会がもし来たら、 考えるまえに一度掴んでみよう!』だと思います。 もっと日本語の勉強に精進しろという意味の賞だと思って、もっと頑張ります。 残りの時間もよろしくお願いします。