【ご報告】第10回YNU日本語スピーチ大会

• 第10回YNU日本語スピーチ大会

スピーチ大会の発表資料・動画はこちらでご覧いただけます。
http://www.isc.ynu.ac.jp/about/report/speech/2020/presentation
2020年12月18日(金)~20日(日)の期間に第10回YNU日本語スピーチ大会がオンラインで開催されました。 今年度のテーマは「私にとっての2020」で、各国からの留学生10名がそれぞれの熱い思いを日本語で伝えました。 今回は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、例年通りの対面ではなく、 国際教育センターホームページにスピーチ大会特設ページを設け、 スピーチの動画を公開する形で行いまいました。 動画は、海外在住の方々を含む学内外の多くの方にご視聴いただき、 留学生たちへの暖かい応援のメッセージも多数お寄せいただきました。

スピーチ大会には今年度もたくさんの応募があり、 初中級の部3名と中上級の部7名の合計10名の出場が決定しました。 出場者は、日本語日本文化研修留学生や学部生、 大学院生とさまざまな身分の留学生で、 出身は、ベトナム、タイ、フィリピン、インドネシア、マレーシア、中国、韓国でした。

中上級の部の出場者は持ち時間4分、初中級の部は持ち時間の3分間で 「私にとっての2020」についてコロナ禍におけるさまざまな発見や思いを日本語で表現しました。 例年とは異なり、直接聴衆と場を共有することはできませんでしたが、 スピーチ動画配信時に設けた留学生への応援メッセージリンクを通して、 視聴者から多数の感想や励ましのメッセージが寄せられ、留学生と学内外の方々の交流にもつながりました。

スピーチの審査は内容、表現力、日本語力の三点について行われました。 審査員の方々には動画公開期間中に事前にスピーチ動画を視聴してもらい、 個別に審査を行っていただきました。 その後、2020年12月21日(月)にオンラインで開かれた審査会議でその合計点をもとに各賞が選ばれました。

その結果をもとに、12月22日(火)にオンライン表彰式を行いました。 最優秀賞受賞者には賞状とトロフィーが、優秀賞受賞者には賞状が贈られました。 また、読売新聞社からは読売新聞社賞の贈呈があり、読売新聞東京本社横浜支局長の小林健様より賞状と盾が贈られました。 その他にも「国際理解:国際交流における日本語の役割」クラスの受講生が選ぶ学生審査員特別賞が選出され、 賞状の授与が行われました。さらに、今回は、コロナ禍における留学生支援の一環として、 国際戦略推進機構所属の教員に寄付を募り、出場者に賞金・ギフトカードが贈られました。 オンライン表彰式ということで、直接トロフィーや賞状を受賞者に渡すことはできませんでしたが、 審査員から受賞者へのスピーチの講評や受賞できなかった留学生への励ましのメッセージをいただくなど、 心温まる表彰式となりました。当日の様子は読売新聞にて(2020年12月23日付)紹介されました。

•「国際理解:国際交流における日本語の役割」クラスとの連携

YNU日本語スピーチ大会は、2014年度から全学教育科目である 「国際理解:国際交流における日本語の役割」と連携して実施されています。 この試みは、日本語スピーチ大会開催に向け、 日本人学生と留学生が協力しあうことで国際交流の機会を促進するという目的で進められています。

2020年度秋学期の「国際理解:国際交流における日本語の役割」はビデオ会議システムZoomを使って、 遠隔リアルタイムの形式で開講されました。受講生は11名と少人数でしたが、 どの学生も積極的にスピーチ大会の準備に携わりました。 一番重要な役割は出場者のスピーチ原稿のチェックと発表の練習の支援でした。 受講生と出場者が1対1のペア、または受講生2名に対して出場者1名という組み合わせでZoom等を使って活動をしました。 活動を通して初めて留学生の日本語を知ることとなった学生も多く、 数多くの発見や驚きがあったようです。その他にも、受講生にはスピーチ大会特設ページの留学生紹介文を書いてもらいました。

例年のように、リハーサルやスピーチ大会当日に留学生のスピーチを聴くことはできませんでしたが、 動画視聴期間中に、積極的に出場者のスピーチにコメントをしてくれました。

ほとんどの授業がオンラインで開催されていた中、留学生とリアルタイムのやりとりを通じで交流できたことは、 受講生にとっていい刺激になっていたことが授業アンケートの結果などからわかりました。

第10回YNU日本語スピーチ大会はコロナ禍のなかでも頑張っている留学生たちから 私たちへの励ましともいえるメッセージが確実にはっきりと伝わった大会になったと思います。 留学生たちからたくさんのことを学び気づかされるとても良い機会だったのではないかと思います。

各方面からのサポートをいただき、無事開催できたことを大変喜ばしく思っております。 関係者のみなさまありがとうございました。日本語スピーチ大会が本学留学生の活動の活性化につながるよう、 今後もYNU日本語スピーチ大会を企画運営したいと思います。

文責  金蘭美
  (国際戦略推進機構 基盤教育部門 日本語教育部)

出場者(敬称略)

出場者たちの発表資料はこちらからご覧いただけます。

【初中級の部】
1.ハー・タム・ファン 「たくさん良いことを学んだ年」
  理工学府/ベトナム
2.クラチャト・ボリブンナンクン 「帰国出来ないのに幸せなのは、何故だろう」
  都市イノベーション学府/タイ
3.ローリーン・リワナグ 「隣人の大切さ」
  フィリピン大学(協定校)/フィリピン

【中上級の部】
1.アルティア・チェン・イーフイ 「希望と絶望のジェットコースター」
  理工学府/マレーシア
2.マルセイラ・フェニ・イナタ 「試練から得たもの」
  日本語日本文化研修留学生/インドネシア
3.オウ・カユウ 「夢の扉」
  国際社会科学府/中国 
4.ジョン・アンナ 「よかった探し」
  教育学研究科教員研修留学生/韓国
5.ブ・ムンジョン 「苦難を糧に成長した私」
  経営学部/韓国
6.リュウ・シゴウ「人との繋がりを再認識〜私の2020」
  都市イノベーション学府/中国
7.リ・エンシュウ 「私にとっての2020年−自分と向き合いながら、研究の壁に挑む−」
  教育学研究科/中国

審査員(敬称略)

【学外】
小林健    読売新聞社東京本社 横浜支局長 
熊谷晃子   独立行政法人国際協力機構 横浜センター所長

【学内】
田名部元成  企画推進部門長
村上健一郎  学務部国際教育課 留学生受入係 主任
友野紗織   研究・学術情報部研究推進課/国際戦略推進機構 国際戦略室 係員
田中望結   国際理解科目受講生代表

受賞者(敬称略)

【最優秀賞】ジョン・アンナ 「よかった探し」
      理工学府/マレーシア

【初中級部の優秀賞】クラチャト・ボリブンナンクン 「帰国出来ないのに幸せなのは、何故だろう」
      都市イノベーション学府 /タイ

【中上級部の優秀賞】マルセイラ・フェニ・イナタ 「試練から得たもの」
      日本語日本文化研修留学生/インドネシア

【学生審査員特別賞】リュウ・シゴウ 「人との繋がりを再認識〜私の2020」
      都市イノベーション学府/中国

受賞者の声

• ジョン・アンナ(最優秀賞/教育学研究科教員研修留学生・韓国)

横浜国立大学の先生方々のおかげでこの大変な時期に貴重な機会を得て、 素晴らしい候補者の方々とともに大会に参加できて感謝申し上げます。 分に余る大きな賞を受けて身の置き場が分からないですが、 この大事な経験を人生の資産にしてこれからも日本語の勉強に精進して行きます。ありがとうございました。

• クラチャト・ボリブンナンクン(初中級の部優秀賞受賞/都市イノベーション学府 ・タイ)

私は、横国大で勉強してもう3年になりました。 研究だけでなく、2年ぐらいずっと日本語の授業も取っています。 落ち込んでいる時、日本語の授業を受けると元気になります。 そのため、どんなに忙しくても、日本語の勉強を続けています。しかし、まだよく話せないと思っていたので、 今年の日本語のスピーチ大会は自分にチャレンジする絶好の機会だと思い、 参加することにしました。 私は全然賞について考えてなくて、全力でスピーチすることだけを頑張りました。 それで、賞をもらった時、驚いてとても幸せな気分になりました。 私は「自分の力に挑戦し、結果として賞をもらった」と思っています。 自分自信と日本語を教えてくれている先生やチューターやサポーターなど、 日本で勉強の機会をくれた多くの人に感謝しています。私はこの喜びを一生忘れません。有難うございました。

• マルセイラ・フェニ・イナタ(中上級の部優秀賞受賞/日本語日本文化研修留学生・インドネシア)

YNU大10回日本語スピーチ大会に参加できて、 大変貴重な経験になりました。受賞をもらえたも全然思わなかったのです。 コロナウイルスの影響で、今できることが限られているなかでも、 家族、先生方、サポーター、友達の皆のお陰で、良いスピーチを届けられました。 いつも支えてくれた人たちに心から感謝しています。 これからも一生懸命頑張りたいと思っています。ありがとうございました!

• アルティア・チェン・イーフイ (読売新聞社賞/理工学府・マレーシア)

スピーチ大会の主催者、先生、審査員とサポーターに感謝します。 皆様のおかげで、これは留学の良い思い出だと思います。 スピーチ大会に参加することは私にとって挑戦であり、 挑戦に立ち向かったら自分の成長を感じました。みなさん、ありがとうございました。

• リュウ・シゴウ (学生審査員特別賞/都市イノベーション学府・中国)

このたび、貴重なスピーチ大会を設けていただきまして、誠にありがとうございました。 お陰様で、今まで当たり前だと思っていた生活の中で、 何を大切にすべきなのかを顧みることができました。 人との繋がりを通して新たな自分を見つけ出し、 そして明るい未来を迎えるために共に頑張っていきたいと思います。 また、今回は特別賞をいただき、 この経験がこれからの人生においても常に日本語学習の最高の励ましになると思います。 末筆ながら、サポートしてくださった先生方やサポーターに感謝いたします。 そしてYNU日本語スピーチの益々のご発展をお祈り申し上げます。

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