第9回YNU日本語スピーチ大会
スピーチ大会の発表資料・動画はこちらでご覧いただけます。
2019年12月17日(火)に横浜国立大学図書館メディアホールにて第9回YNU日本語スピーチ大会が開催されました。 今年度のテーマは「忘れられない瞬間」で、各国からの留学生9名がそれぞれの熱い思いを聴衆に伝えました。 留学生を含む本学の学生、本学教職員のほか、日ごろ留学生支援に携わるボランティアの方々にもご来場いただき、 総勢120名の方にお越しいただきました。
スピーチ大会には今年度もたくさんの応募があり、中上級の部5名と初中級の部4名の合計9名の出場が決定しました。 出場者は、短期留学国際プログラム(JOY)生、世宗大学校日本交流プログラム生、 横浜国立大学日本語・日本文化研修プログラム生とさまざまな身分の留学生で、 出身は、エジプト、コロンビア、中国、韓国、台湾でした。 また、司会は韓国出身のシン・ジョングン(日本語日本文化研修プログラム)さんが担当し、流暢な日本語で司会進行役を務めてくれました。
2014年度から国際理解科目とのジョイントで開催されているスピーチ大会も今年で6回目となりました。 この試みは、日本語スピーチ大会開催に向け、日本人学生と留学生が協力しあうことで国際交流の機会を促進するという目的で進められています。 今年度も「国際理解:国際交流における日本語の役割」というクラスの受講生13名がその役割を果たしました。
中上級の部の出場者は持ち時間4分の間にスライド6枚、 初中級の部は持ち時間の3分の間に4枚のスライドを見せながらそれぞれの「忘れられない瞬間」について自分の経験や思いを聴衆に語りかけました。 笑いあり、感動あり、学びありのスピーチで、どの発表のあとにも盛大な拍手が送られました。
スピーチの審査は内容、表現力、日本語力の三点について行われました。 各スピーチは7名の審査員によって個別に審査され、その合計点をもとに各賞が選ばれました。 審議中には来場者と出場者によるQ&Aセッションが行われ、出場者はリラックスした様子で来場者の方々からの質問に答えていました。
審査の結果最優秀賞が全体から1名選ばれたほか、優秀賞がそれぞれの部から選ばれました。 最優秀賞受賞者には賞状と歴代の最優秀賞受賞者の名前が残されているトロフィーが、優秀賞受賞者には賞状が贈られました。 また、読売新聞社からは読売新聞社賞の贈呈があり、読売新聞東京本社横浜支局長の横田博行様より賞状と盾が贈られました。 その他にも「国際理解:国際交流における日本語の役割」クラスの受講生が選ぶ学生審査員特別賞が選出され、賞状の授与が行われました。
それぞれの受賞者には審査員から受賞の理由と感想が述べられ、賞状と記念品が贈呈されました。 最後に出場者全員に本学卒業生の坂本健様より奨励賞が、日本語教育部より参加賞が贈呈されました。 表彰式の終了をもって第9回YNU日本語スピーチ大会は閉会となりました。
当日の様子は読売新聞にて(2019年12月18日付)紹介されました。
懇親会
スピーチ大会終了後、図書館カフェshocaにて懇親会が開催されました。 スピーチ大会に出場した留学生と友人、審査員の方々、地域ボランティアの方々、 「国際理解:国際交流における日本語の役割」クラスの受講生など約52名が集まり、 歓談の機会を持ちました。スピーチ大会についてだけではなく、日本での生活のことや、自国の話に花を咲かせていたようです。 留学生が普段は接することがあまりない学外の方々とも交流するいい機会になったのではないでしょうか。
「国際理解:国際交流における日本語の役割」クラスとの連携
「国際理解:国際交流における日本語の役割」クラスの受講生13名は様々な形でスピーチ大会の準備や運営の支援をしました。 一番重要な役割は出場者のスピーチ原稿のチェックと発表の練習の支援でした。 今年度は例年よりも受講生が少なかったため、受講生と出場者が1対1のペア、 または受講生2名に対して出場者1名という組み合わせで活動をしました。 具合的には、出場者が書き上げた原稿を受講生が読み、アドバイスをし、原稿を推敲していく活動を行いました。 どうすれば留学生にとって学びの機会を提供できるか授業でディスカッションをし、 その後実践活動をするという流れでした。活動を通して初めて留学生の日本語を知ることとなった学生も多く、 数多くの発見や驚きがあったようです。 原稿が出来上がったあとはスピーチ大会直前まで出場者の発表練習に同席しアドバイスをするという支援を行っていました。
スピーチ大会当日は、出場者の紹介で会場を盛り上げてくれたり、受付、タイムキーパー、写真・ビデオ撮影、審査票回収と計算、Q & Aセッションの司会など、 実際の運営にも大きく関わってくれました。メディアホールでの開催は初めてで、問題なく実施できるか不安もありましたが、 どの学生も積極的に準備・運営に協力をしてくれたため、スムーズな進行ができました。
ポスターデザインコンテスト
スピーチ大会の出場者募集と同時に宣伝用ポスターのポスターデザインコンテストが開催されました。 留学生だけではなく、日本人学生や教職員の方々からも募集を受け付けたところ、 合計17点の応募がありました。すべてのポスターは国際教育センター2階ロビーに掲示され、 一般投票が行われました。一般投票と「国際理解:国際交流における日本語の役割」クラスでの投票、 事務の方々や日本語教育部教員による投票を合わせた結果、得票数が最も多いポスターが入賞作品となりました。
第9回YNU日本語スピーチ大会は「忘れられない瞬間」というテーマのとおり、留学生たちのメッセージが確実にはっきりと伝わった大会になったと思います。 留学生たちからたくさんのことを学び気づかされるとても良い機会だったのではないかと思います。 各方面からのサポートをいただき、無事開催できたことを大変喜ばしく思っております。 関係者のみなさまありがとうございました。日本語スピーチ大会が本学留学生の活動の活性化につながるよう、 YNU日本語スピーチ大会を企画運営したいと思います。
文責 金蘭美 (国際戦略推進機構 基盤教育部門 日本語教育部)
出場者(敬称略)
出場者たちの発表資料はこちらからご覧いただけます。
【初中級の部】
1.ラマダン・マリャム・ヒシャム・ハンムダ・ヒジャジ 「お別れの瞬間」
JOYプログラム/エジプト
2.イ・ジョンジュ 「家族との食事」
JOYプログラム/韓国
3.チョン・ユリム 「バングラデシュでの記憶」
世宗プログラム /韓国
4.ヴァルデラマ・ペドロ 「忘れられないメール」
JOYプログラム /コロンビア
【中上級の部】
1.チャン・ソニョン「信じがたい風景が現実になった瞬間」
世宗プログラム/韓国
2.ソウ・シイン 「私が競技かるたを好きになった瞬間」
横浜国立大学日本語日本文化プログラム/台湾
3.ジョ・レイリ 「忘れられない瞬間 困難を乗り超えた自分」
横浜国立大学日本語日本文化プログラム/台湾
4.シュウ・シュガン 「背水の陣−砲丸投げを通して学んだこと」
JOYプログラム/中国
5.ファン・ウォンヨン「背水の陣−砲丸投げを通して学んだこと」
JOYプログラム/中国
【司会】
シン・ジョングン (日本語日本文化研修プログラム/韓国)
審査員(敬称略)
【学外】
横田博行 読売新聞東京本社 横浜支局長
熊谷晃子 独立行政法人国際協力機構 横浜国際センター所長
根岸史修 緑園都市コミュニティ協会国際交流委員会・三井ボランティアネットワーク事業団
【学内】
根上生也 副学長・理事・国際教育センター長
大野かおる 国際戦略推進機構 基盤教育部門長
栗林隆行 学務部 国際教育課 副課長
篠田洋輔 国際理解クラス受講生代表
受賞者(敬称略)
【最優秀賞】
ジョ・レイリ 「私が競技かるたを好きになった瞬間」
横浜国立大学日本語日本文化プログラム/台湾
【読売新聞社賞】
ソウ・シイン 「今横浜国立大学の大学生たちに伝えたいこと-今したいことをしていますか?-」
世宗プログラム/韓国
【初中級部の優秀賞】
チョン・ユリム 「バングラデシュでの記憶」
世宗プログラム/韓国
【中上級部の優秀賞】
シュウ・シュガン 「背水の陣―砲丸投げを通して学んだこと」
JOYプログラム/中国
【学生審査員特別賞】
ラマダン・マリャム・ヒシャム・ハンムダ・ヒジャジ 「お別れの瞬間」
JOYプログラム/エジプト
受賞者の声
ジョ・レイリ(最優秀賞受賞/横浜国立大学日本語日本文化プログラム・台湾)
初めてのスピーチコンテストなので不安や緊張感が溢れるけれど、本番です順調に行けてよかったです。 今回のコンテストは留学生活のいい思い出になり、今回のテーマにふさわしい忘れられない経験になると思います。
チョン・ユリム(初中級の部優秀賞受賞/世宗プログラム・韓国)
私は賞をもらう考えがありませんでした。 しかしチューターたちと先生たちの助けによってもっと成長してもっと大きい賞をもらうことができると思います。 本当に嬉しくてとても感謝します。ありがとうございました。
シュウ・シュガンさん (中上級の部優秀賞受賞/JOYプログラム・中国)
スピーチ大会は素晴らしい活動だと思います。 一ヶ月の努力は甲斐があると思います。実は私は小さいころから、緊張する時話がありますが、音さえ出せない癖があります。 日本語の専門ですが、この癖で自信がありません。色々練習をとうして、だんだん話せるようになりました。 先生から、サポートさんから色々助けてもらって、優勝賞をもらいました。本当に楽しかったです。 スピーチ大会をとうして、日本語を続けて勉強する自信が出てきました。とにかく、いい経験でした。
ソウ・シインさん (読売新聞社賞/横浜国立大学日本語日本文化プログラム・台湾)
人の前で話すのはいつも苦手で、今回のスピーチ大会を参加させて、自分の成長を感じました。 とても緊張したが、いい経験になりました。本当に心から私を推薦した四方田先生とサポーターの中村さんに感謝します。 特にサポーターの中村さんの支えがあったからこそ、勇気を出してスピーチをすることができました。審査員と先生にありがとうございました。