第7回YNU日本語スピーチ大会

テーマ「私にとって一番大切なもの」

スピーチ大会の発表資料・動画はこちらでご覧いただけます。

2017年12月12日(火)に横浜国立大学教育文化ホール大集会室にて第7回YNU日本語スピーチ大会が開催されました。今年度のテーマは「私にとって一番大切なもの」で、各国からの留学生12名がそれぞれの熱い思いを聴衆に伝えました。留学生を含む本学の学生、本学教職員のほか、日ごろ留学生支援に携わるボランティアの方々にもご来場いただき、総勢150名の方にお越しいただきました。

2014年度から国際理解科目とのジョイントで開催されているスピーチ大会も今年で4回目となりました。この試みは、日本語スピーチ大会開催に向け、日本人学生と留学生が協力しあうことで国際交流の機会を促進するという目的で進められています。今年度も「国際理解:国際交流における日本語の役割」というクラスの受講生27名がその役割を果たしました。

スピーチ大会には今年度もたくさんの応募があり、中上級の部11名と初中級の部の特別参加1名の合計12名の出場が決定しました。出場者は学部生、研究生、短期留学国際プログラム(JOY)生、世宗大学校日本交流プログラム生、日本語・日本文化研修プログラム生とさまざまな身分の留学生で、出身はフランス、ロシア、アゼルバイジャン、モンゴル、中国、韓国、台湾、香港、マカオの9つの国と地域でした。また、司会は韓国出身の金ダエィ(YCCSプログラム)さんが担当し、流暢な日本語で司会進行役を務めてくれました。

中上級の部の出場者は持ち時間4分の間にスライド6枚、初中級の部の特別参加のルキエさんは持ち時間の3分の間に4枚のスライドを見せながらそれぞれの「私にとって一番大切なもの」について自分の経験や思いを聴衆に語りかけました。笑いあり、感動あり、学びありのスピーチで、どの発表のあとにも盛大な拍手が送られました。

スピーチの審査は内容、表現力、日本語力の三点について行われました。各スピーチは7名の審査員によって個別に審査され、その合計点をもとに各賞が選ばれました。審議中には来場者と出場者によるQ&Aセッションが行われ、出場者はリラックスした様子で来場者の方々からの質問に答えていました。

審査の結果最優秀賞が全体から1名選ばれたほか、優秀賞がそれぞれの部から選ばれました。最優秀賞受賞者には賞状と歴代の最優秀賞受賞者の名前が残されているトロフィーが、優秀賞受賞者には賞状が贈られました。また、読売新聞社からは読売新聞社賞の贈呈があり、読売新聞東京本社横浜支局長の山本広海様より賞状と盾が贈られました。その他にも「国際理解:国際交流における日本語の役割」クラスの受講生が選ぶ学生審査員特別賞が選出され、賞状の授与が行われました。また、優秀賞には大理石のYNUモニュメントも贈られました。

それぞれの受賞者には審査員から受賞の理由と感想が述べられ、賞状と記念品が贈呈されました。最後に出場者全員に本学卒業生の坂本健様より奨励賞が、日本語教育部より参加賞が贈呈されました。表彰式の終了をもって第7回YNU日本語スピーチ大会は閉会となりました。

当日の様子は読売新聞にて(2017年12月13日付)紹介されました。

懇親会

スピーチ大会終了後、国際教育センター306教室にて懇親会が開催されました。スピーチ大会に出場した留学生と友人、審査員の方々、地域ボランティアの方々、「国際理解:国際交流における日本語の役割」クラスの受講生など約30名が集まり、歓談の機会を持ちました。スピーチ大会についてだけではなく、日本での生活のことや、自国の話に花を咲かせていたようです。留学生が普段は接することがあまりない学外の方々とも交流するいい機会になったのではないでしょうか。

「国際理解:国際交流における日本語の役割」クラスとの連携

「国際理解:国際交流における日本語の役割」クラスの受講生27名は様々な形でスピーチ大会の準備や運営の支援をしました。一番重要な役割は出場者のスピーチ原稿のチェックと発表の練習の支援でした。受講生2〜3名が1グループとなって出場者が書き上げた原稿を読み、アドバイスをするという形をとりました。どうすれば留学生にとって学びの機会を提供できるか授業でディスカッションをし、その後各グループが実践活動をするという流れでした。留学生の日本語をただ推敲するのではなく、聴衆に何を訴えたいのか、なぜこの語彙や表現を使いたいのかという意図を聞きだしながら推敲を重ねたという報告が多く聞かれました。初めて留学生の日本語を知ることとなった学生も多く、数多くの発見や驚きがあったようです。原稿が出来上がったあとはスピーチ大会直前まで出場者の発表練習に同席しアドバイスをするという支援を行っていました。中には発表の際の身振り手振りをどうしたらいいかなど細かいところまで話し合ったグループもあったようです。

スピーチ大会当日は、出場者の紹介で会場を盛り上げてくれたり、受付、タイムキーパー、写真・ビデオ撮影、審査票回収と計算、Q & Aセッションの司会など、実際の運営にも大きく関わってくれました。どの学生も積極的に準備・運営に協力をしてくれたため、スムーズな進行ができました。

ポスターデザインコンテスト

スピーチ大会の出場者募集と同時に宣伝用ポスターのポスターデザインコンテストが開催されました。留学生だけではなく、日本人学生や教職員の方々からも募集を受け付けたところ、合計8点の応募がありました。すべてのポスターは国際教育センター2階ロビーに掲示され、一般投票が行われました。一般投票と「国際理解:国際交流における日本語の役割」クラスでの投票、事務の方々や日本語教育部教員による投票を合わせた結果、得票数が最も多いポスターが入賞作品となりました。

第7回YNU日本語スピーチ大会は「私にとって一番大切なもの」というテーマのとおり、留学生たちのメッセージが確実にはっきりと伝わった大会になったと思います。留学生たちからたくさんのことを学び気づかされるとても良い機会だったのではないかと思います。 各方面からのサポートをいただき、無事開催できたことを大変喜ばしく思っております。関係者のみなさまありがとうございました。日本語スピーチ大会が本学留学生の活動の活性化につながるよう、第6回YNU日本語スピーチ大会を企画運営したいと思います。

最優秀賞
リン・シクン(日本語日本文化プログラム生)

文責  金蘭美
(国際戦略推進機構 基盤教育部門 日本語教育部)

出場者(敬称略)

スピーチ大会の発表資料・動画はこちらでご覧いただけます。

【特別参加】
ルキエ・ジェレミー 「対等な協力」
JOYプログラム・フランス

【中上級の部】
1.リ・シカ 「祖父からの教え」
  都市イノベーション研究科大学院生・中国
2.オ・サンヒョク 「1本の電話から変わる自分」
  世宗プログラム・韓国
3.ラム・イン 「自信という鍵で成功の扉を開けよう」
  国際社会科学府大学院生・マカオ
4.リュウ・コウジュン 「今、「ここ」を生きる勇気」
  工学府大学院生・中国
5.オウ・ヒョウ 「お守り」
  横浜国立大学日本語・日本文化プログラム 香港
6.ジョ・エンレイ 「大切なものはいつも傍に」
  横浜国立大学日本語・日本文化プログラム 台湾
7.アイダイエヴァ・ザリファ 「失敗は成功の一部」
  教育学研究科研究生・アゼルバイジャン
8.トミビシ・ノミンゾル    「自分の長所を見つける」
  日本語・日本文化研修プログラム・モンゴル
9.ボルトネフスカヤ・ユーリャ    「この瞬間から1秒でも…」
  日本語・日本文化研修プログラム・ロシア
10.ゴー・ヴィヴィアンイミン    「逆境の中で」
  日本語・日本文化研修プログラム・シンガポール
11.イ・ソンヨン    「好きなものから夢まで」
  世宗プログラム・韓国
【司会】
キム・ダイェ(YOKOHAMA Creative-City Studies(YCCS)プログラム生)

審査員(敬称略)

【学外】
山本広海   読売新聞東京本社 横浜支局長
朝熊由美子  独立行政法人国際協力機構 横浜国際センター所長
深水智明   NPO法人 留学生と語り合う会(RKK )理事長
【学内】
高木まさき  副学長・国際教育センター長
竹内智子   学務部国際教育課長
ベリー・ブライアン・デビット  国際戦略推進機構 特任教員
小松舟智   学部生 国際理解科目 日本人学生 代表

受賞者(敬称略)

【最優秀賞】ボルトネフスカヤ・ユーリャ 「この瞬間から1秒でも…」 日本語・日本文化研修プログラム・ロシア
【読売新聞社賞】アイダイエヴァ・ザリファ  「失敗は成功の一部」 教育学研究科研究生・アゼルバイジャン
【優秀賞】劉 康潤(リュウ・コウジュン) 「今、「ここ」を生きる勇気」 工学府大学院生・中国
【学生審査員特別賞】徐 宛伶(ジョ・エンレイ) 「大切なものはいつも傍に」 横浜国立大学日本語・日本文化プログラム・中国

受賞者の声

リュウ・コウジュン(中上級の部優秀賞受賞/工学府大学院生・中国)

掲示板に貼ってあるスピーチ大会参加者募集のポストを見た瞬間、「参加しようぜ」と自分自身に言い聞かせました。このまま卒業するのは本当に悔しい、またいろいろ挑戦したい、体験したいことがあるのに、ともうすぐ卒業する身として最近強く感じています。 発表内容はよくある自己成長に関する話ですが。スピーチ大会を通じて、ただ過去2年間の成長を実感しただけではなく、参戦自体も自分を進化させました。また、先生たち、あるいはサポーターからもフィードバックをいただいたので、自分の不足を知り、さらなる成長のために、課題が山積みだ!とやる気がわいてきました。 そういうわけで、今回のスピーチ大会に参加して、よかったと思います

ジョ・エンレイさん (学部審査員特別賞受賞/横浜国立大学日本語・日本文化プログラム・中国)

 今回、こんなに大きいコンテストに参加することができるのは光栄だと思っています。日本に来る前に、スピーチコンテストが行われることを知り、あの時からこのことに興味を持ちました。最初は応募すべきかどうかはすごく迷いました。私は自分に対し、どうしても自信を持てないです。いつも自分の能力に疑いを持っていました。「そんなに大きい舞台で私は一体どこまでできるのでしょうか?」と応募する前に、何回も自分に聞き、時間をかなりかけました。しかし、実際に準備を始めたら、自信もどんどん増えてきました。なぜなら、毎日原稿の練習を進んでいるうちに、自分の日本語の話す能力も段々進歩が見えました。このことを知った私は日本語を話す時に、やっと躊躇なく自分の思うことを言えるようになりました。この喜びを知った私は、ようやく迷わずにこの挑戦に挑むことができました。私を変えるのは全て、このスピーチコンテストにあります。参加することに決めた最初は不安になるのはごく普通なことです。初挑戦の人には尚更です。ですが、この一歩を踏み出した時点で、すでに自分を変える第一歩だと思います。これも自分の弱さに真正面に向き合うチャンスだと思います。この大きな壁を乗り越えられたら、自分の心境、あるいは見る景色がきっと少しつつ変わっていくはずだと思います

第7回YNU日本語スピーチ大会写真

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